住宅の気密性とは、住宅の隙間を減らし外気の出入りのしにくさを意味します。かつての木造住宅のように気密性の低い住宅は、隙間風で寒さを感じやすくなります。というように、気密性が低いままではどんなに断熱材を多く使っていても、室温が外気温に左右されやすくなってしまうため、夏は暑く、冬は寒い過ごしにくい部屋になってしまうのです。

住宅の気密性能はC値によって表されます。C値は家全体の面積に対する隙間の面積を「㎠／㎡」で表し、0に近いほど気密性が高いということになります。簡単に例えると、床面積100㎡の平屋住宅にまったく隙間がなければ「0c㎡÷100㎡＝0」でC値はゼロ。10c㎡の隙間があれば、「10c㎡÷100㎡＝0.1」でC値は0.1という計算になります。

C値を算定するためには、気密測定が必要です。専用の機械で空気を外に出し、屋内外の気圧差から隙間がどれぐらいあるのかを測定。測定した数値をもとにC値を算出します。

近年では、「高断熱・高気密」という言葉を耳にする機会も多いのではないでしょうか。断熱性と気密性は相互に影響して住宅の性能に関係しています。

断熱性が高い住宅であっても、気密性が充分に高くないと、隙間から入ってくる外気に室温が影響され、快適な室温を保つことができません。そのため、夏涼しく冬暖かい一年中快適な家を実現するためには、断熱性能だけではなく気密性能も同時に必要になってくるのです。

このように高断熱・高気密の住宅は、快適な室温を保ちやすく冷暖房にかかる消費エネルギー量を抑えられることから、国でも高断熱・高気密住宅を推奨。建築物省エネ法によって、住宅の性能基準を定めています。

国はカーボンニュートラルへの取り組みのひとつとして、建築物で消費されるエネルギーをより少なくするため建築物省エネ法を制定。この目標を達成するために、住宅に求められる省エネ基準も段階的に引き上げられています。建築物省エネ法で定められた省エネ基準をはじめ、住宅の性能を評価する基準となるのが、以下の3つです。

・省エネ基準
・ZEH基準
・HEAT20基準

2025年にはすべての新築住宅に省エネ基準の適合が義務化。2030年にはさらに性能の高いZEH基準適合を目指しています。このZEH基準をさらに上回るのがHEAT20基準です。HEAT20基準は「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」によって設定され、G1～G3のグレードで表されます。

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省エネ基準の評価に関わってくるのが、UA（ユー・エー）値です。UA値は室内外の熱の出入りのしやすさを表します。つまり、値が小さい低いほど、断熱性能が高いということです。

日本は南北に広く、寒冷地と温暖地の温度差が大きいため、評価の基準となるUA値が地域にごとに異なります。R+house伊勢崎・高崎・太田のある群馬県伊勢崎市や旧倉渕村を除く高崎市、太田市のエリアは、東京23区と同じ6地域に分類されます。6地域の省エネ基準ごとのUA値は以下の通りです。

高崎市は2021年の年間平均気温が15℃と、東京都の年間平均気温（1991～2020年）と大きな差はありません。しかし、内陸性気候であるため夏冬・昼夜の温度差が大きく、冬から春に発生する北西の季節風が強く吹くという特徴があります。寒暖差があり、住宅の気密性が低い場合は隙間風を感じやすい気候であるため、住宅の断熱性や気密性の高さが重要だといえるでしょう。

参考元：国土交通省｜地域区分新旧表（令和2年7月時点）
参考元：国土交通省｜住宅性能表示制度の見直しについて
参考元：国土交通省｜ZEHの定義（改定版）＜戸建住宅＞
参考元：2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会公式サイト｜HEAT20 外皮性能グレード
参考元：気象庁｜過去の気象データ検索｜東京都
参考元：高崎市｜高崎市第２次地球温暖化対策実行計画

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経済産業省・国土交通省・環境省が協賛し、住宅生産団体連合会によって発行された「なるほど省エネ住宅」を見てみましょう。この中で、省エネ基準が異なる住宅の光熱費を比較しています。この比較によると、群馬県高崎市と同じ地域区分6のエリアに建てられた今までの住宅と、省エネ基準を満たす住宅とでは年間の光熱費で6万円以上の差が出るとしています。さらに、省エネ基準を上回るZEH基準の住宅と今までの住宅との差は年間12万円以上にも。

このように、断熱性能の高い住宅は光熱費が抑えられることが分かります。断熱性を高めることで住む人にもお財布にもやさしい、快適に過ごせる住宅が実現できるといえるでしょう。

参考元：一般社団法人 住宅生産団体連合会｜快適・安心なすまい なるほど省エネ住宅

それでは、住宅の気密性を高めるためにはどうしたら良いのでしょうか。ここからは住宅の気密性を高めるポイントをお伝えしていきます。

気密性を高めるためには部材や設備選びも重要です。例えば、繊維系の断熱材を使用する場合、気密シートはJISで定められている透湿抵抗値があるものや、外壁の室内側で結露する夏型結露を防ぐ調湿気密シートなどを用いることで気密性能の向上が期待できます。

また、24時間換気システムの選び方も重要です。換気システムは住宅の気密性を高めることで引き起こされるシックハウス症候群の予防のため、設置が義務付けられています。換気設備は給排気の方法が異なる3つのタイプがありますが、なかでも気密性の高い住宅には第1種換気方式のものが最適です。第1種換気方式は給気・排気ともに換気扇を使い、機械によって空気の流れをコントロールできます。さらに、熱交換システムをプラスすると、外気の影響を受けにくくなるのでおすすめです。

住宅の断熱性や気密性を高めるためには、それを実現させるだけの施工力が必要です。窓やドアといった開口部やコンセント、設備配管の周辺のような隙間ができやすい細部にも気密処理をしなくてはなりません。気密テープや発泡ウレタンフォームで細かい部分まで処理をおこなうためには、現場の高い意識や職人の技術力が必要になります。

そのため、高断熱・高気密住宅を得意としている施工実績が豊富な会社を選ぶと良いでしょう。とくに、気密性能を表すC値は設計上での計算値ではなく、実際に現場で測定した実測値。つまり、C値基準を公表している施工会社は、目標とするC値を達成できるだけの確かな技術力があるのだといえるでしょう。

C値を測るためには気密測定技術者による専門機器での測定が必要になります。気密測定には、物件が完成した時におこなう「完成気密測定」と、クロスなどを張る前の断熱気密層が完成した時点でおこなう「中間気密測定」の２種類あります。中間気密測定をおこなうことで、隙間が生じている位置を特定できるため、手直しも可能です。

高気密住宅には明確な定義がないため、施工会社によっては気密測定を一度も実施しない場合もあります。しかし、住宅性能を向上させるために気密測定は欠かせません。施工会社を選ぶときには、気密測定の有無や回数を確認するようにしましょう。

夏涼しく冬暖かい快適なすまいを実現し、光熱費を節約するためには、断熱性能だけではなく気密性の高さも重要です。住宅の気密性を高めるには、高い技術力で施工し、自信を持って気密測定を実施しているような施工会社でなければなりません。

R+house伊勢崎・高崎・太田で建てた住宅はすべて気密測定を実施。気密性を示すC値は0.5以下、UA値もZEH基準よりも優れた0.5以下となることをお約束しています。人生で大きな買い物となるマイホームで後悔してほしくないという思いから、高断熱・高気密にこだわった家づくりに努めています。高崎市周辺で住みよい家を建てたいとお考えの人は、お気軽にご相談ください。